居場所をください。




佐藤さんとの無言の時間は

なんだか少し居心地が悪くて

私はずっと話しかけていた。


やっぱり"他人感"が佐藤さんにはあって

仕事の付き合いなんだと思い知った気がする。


「おう、お疲れ。」


そこにやっと長曽我部さんが来た。


「お疲れさまでーす。」


「どうだった?撮影。」


「うん、まぁまぁ。」


「一時間押したけどね。」


「貴也は?」


「貴也も問題なく、いつも通りです。」


「そ、ならよかったわ。」


長曽我部さんはアイスコーヒーだけ頼み、

とりあえず分厚いファイルを出した。

恐らく私の仕事のこととか全てが

書かれてるんだろうけど。

佐藤さんも同じようなの持ってるしね。


「………とりあえず飯食えよ。」


「あ、ごめん。」


長曽我部さんが話すのを待ってたけど

私がまだ食べ終えてなくて

仕事の話が先伸ばしに。