「あー、もういいから。
忘れろよ。あんときのことは。」
「へー、忘れちゃっていいんだ?
じゃあ私のファーストキスの相手は
隼也になるんだね。」
私が意地悪にそういうと
貴也は舌打ちをした。
………かと思えば
今度はいきなりキスしてきた。
「なら忘れんなよ。」
そんな事をいい、離れた。けど………
「ば、ばか!
こんな人の多いとこ「見ーちゃった!」
こんな人の多いところで
誰かに見られるじゃん、と言おうとしたとき
後ろからの声に遮られてしまった。
「俺仕事以外でキスしてるとこ
見てるの初めて見た~。」
「………加藤くん…矢島くん…」
ほら、やっぱり見られたじゃん。
貴也のバカ。
「盗み見してんなよ。」
「してねーよ。
スタジオ入ったらいきなり二人が
キスしてるとこだったんだから。」
「貴也がしてきただけだからね。」
「俺だけのせいかよ。」


