「隼也もさ、私の事好きって言ってくれたけど
わりと早めに次の彼女出来たよね。」
「なに、嫌だったわけ？」
「そんな事ないけどさ。
切り替え早いっていうかなんていうか。
まぁちょっと寂しさはあったかな。」
「振られたからこそ、じゃねーの？
次いった方が早く忘れられんじゃん。」
「それで次いって忘れられなかったら
相手を傷つけるだけじゃん。
そんな賭けみたいなこと、
私にはできないけどね」
寂しさ埋めるために温もり求めて
それで幸せになれるのかな。
「………まぁそうだけど。」
「貴也も、赤堀さん
傷つけて終わっちゃったわけだし。」
「うるせーよ。
あのときはそんな事考える余裕なかったんだよ。」
「ただの勘違いじゃん。」
「………もとはといえば
美鈴が勘違いしたからだろ。
普通、どうでもいい相手に
いきなりキスしたりしねーだろ。」
「貴也が遠回しに伝えようとするからじゃん。
あんとき好きって言ってくれればよかったのに。」
「言おうとしたのに美鈴が言わせなかったんだろ。」
「なんでって聞いたときに
すぐに言えばよかったじゃん。」
「うるせーな。
こっちだっていろいろ
………テンパってたんだよ。」
「なんで？」
「………美鈴がすげー嫌そうな顔してたから。」
「そりゃするでしょ。
いきなりキスしてくるんだもん。」
