で、結局俺の服とかも
美鈴が用意してくれて
俺らは車へ戻った。
「隼也、まだ寝てんの?」
「うん。
まぁ今日はかなり朝早かったしね。」
「将太は眠くなんねーの?」
「俺はそうでもないかな。
隼也は気疲れもあるんじゃないかな?
事務所の社長がいたわけだしさ。」
「えー、隼也が?気疲れ?」
と俺と将太の会話に
美鈴が入ってきた。
じゃっかん、隼也を貶したような言い方で。
「だって社長だよ?
緊張しないの?」
「俺は別に。
社長とはガキの頃から一緒だし。」
「まぁ松野くんはそうだろうけどさ。
五十嵐さんてまた数年でしょ?
緊張しないの?」
「………うちの社長は
そんな感じじゃないから。」
それも言えてる。
うちの社長はかなりフレンドリーだな。
むしろ長曽我部さんの方がよっぽど………
「へー、そうなんだ。
俺んとこの社長はかなり厳しいから
うらやましいよ。」
「そうなの?」
「うん。
ほら、沖野さんが引退するじゃん?
だから他へのプレッシャーすごくて。
今けっこうピリピリしてるんだよね。」
「………そうなんだ。」
まぁ、確かに
看板が抜けるわけだしな。
あんな売れてる人が引退なんてな……


