居場所をください。




「でもさ、いきなりこんな大人数

泊まれるのかな?」


「さぁ?

でも長曽我部さんがいいって言ったから

たぶん大丈夫なんじゃね?

それより、美鈴は社長んち

場所わかんの?」


「うん、大丈夫。

実は何度か行ったことあるの。」


「は?え、そうなの?」


「貴也が戻ってきてからはないけど、

長曽我部さんの付き添いだったり、

本当に仕事の用件だったり、

ご飯一緒に食べたい、とか。


長曽我部さんがいるから

会うのはいっつも離れで

母屋は入ったことないんだけどね。」


「……へぇ。」


なんだ、結構親子やってんじゃん。

よかったな。


堂々と会えなくても

美鈴が幸せそうで、本当によかった。