居場所をください。




「社長っていつから社長やってるの?」


「んー、と

今年でちょうど10年かな。

前社長が突然死して、それで。」


「それまでは俺のマネージャーしてたんだよ、社長。」


「えぇ!そうなの!?」


「俺は社長に育てられたから。」


へ、へぇ……

社長がマネージャー……意外だ。

でも、確かに社長って

貴也には厳しいもんね、一段と。


「佐藤さんとはいつから一緒なの?」


「確か中2くらいだったかな。

入社一年目のくせに

いきなり担当のタレントと交際がばれて

外されて俺んとこ回されたって感じ。

処分どころか昇格してんじゃん

って当時は思ってたな。」


「………ちょっと貴也くん?

それは私に少しばかり失礼じゃないか?

私から外れて貴也くんのマネになったら

昇格ってどういうことかな?」


と咲さんはこわーい笑顔を張り付けていった。


「まぁその頃は俺反抗期だったし

そういう時期だったから。」


「その頃の貴也はほんっとに荒れててな。

マネージャーつきたいやついなくて

そこにちょうど佐藤がいたから。

佐藤と貴也なら良いコンビかも、

なんて思って俺が決めたんだよ。」


と炭に火をつけながら

長曽我部さんが言った。


「貴也にもそんな時期がねぇ…」