「なんか……社長と美鈴ちゃん
仲良いんですね?」
咲さんは社長にタメ口で話しかける私を見て
引き気味に聞いた。
「俺はみんなと仲良いつもりなんだけど。」
「どう考えてもそれはない。」
社長の意見に長曽我部さんは
バッサリと切った。
仲良し親子だなぁ。
会社じゃ仕事モードで
あんまりこういうとこ見られないし
なんか新鮮。
「少なくともひかるよりは
みんなと仲良しだと思うんだけどな。
ひかるみたいに怖くねーしな、俺は。」
と社長が言うと
「俺は長曽我部さんより
社長のが怖いですけどね。」
と貴也が言った。
「どうして?」
「俺がガキのころ、
俺は社長に鍛えられたんだよ。
まだ幼稚園児だった頃の話だけど
美鈴と長曽我部さんみたいな関係で。」
へぇ、そうだったんだ………
「俺はその頃社長でもなかったしな。」


