居場所をください。




包装を開け、箱を開けると

それはお母さんが残してくれたネックレスに

よく似たピアスだった。


「あのネックレスは高価で、大切だからって

ほとんどつけないだろ。

それは高いものでもないし、

美鈴いつもおんなじピアスしてるから

代わりにはならないだろうけど

まぁ思い出せればと思って。」


「……代わりになんかしないよ。

これは貴也がくれたものだもん。


ありがと、すっごい嬉しい。」


「そ、ならよかったわ。」


明日から毎日つけよう。


こうやってなんでもないときに

思い出してくれて

私のためにってしてくれるとこ

ほんとに好き。


その気持ちが本当に嬉しくて

私はしばらくピアスを箱に入れたまま

見つめていた。