居場所をください。




「長曽我部さん、お水ちょうだい。」


「飲み物くらい用意しとけ。」


といいつつお水が出てくるところはさすが。

よく私をわかってらっしゃる。


「ほらよ、マスク。」


ちゃーんとマスクまで用意されてる。


「ありがと。」


いつも助かります。

ほんと、最近甘えすぎな気がする。

全てに。

周りの環境がよすぎて。


「美鈴の調子どうでした?」


長曽我部さんが先生に聞くと


「練習のままできれば

短時間で終われるくらいかな。」


と先生もご満悦。


「ただ練習のまま

レコーディングまで持ってけないのが

五十嵐なんだよな。」


「まぁ大抵のやつは手こずりますから。」


「そうだな。

そう考えれば五十嵐はそこまで

落ちたりしないからいいのかも。」


「大丈夫!今日は絶好調ですよ。」


声めっちゃ出るもん。


「だから余計な声は出すな。」


結局また先生に怒られる。