居場所をください。




服を着て髪の毛を乾かしていると

女子更衣室だというのに

長曽我部さんが入ってきた。


「お疲れ。調子どう?」


「うん、まぁまぁ。

よく走れてる。」


「そ。よかったわ。

また忙しい時期が来るから

気抜くなよ。」


「うん。」


今日はレコーディングか。

頑張ろ。

気合い入れてこ。


「気合い入れすぎんなよ?」


「はは、バレた?」


「ま、Lifeは力強さはいるしな。」


「優しく力強く、暖かく。

Lifeも、Best friendも、decisionも

そうやって歌えって言われたよ、先生に。」


「さっき水木先生と飯食べたけど

俺はもういらねーかもなって言ってたよ。」


「そんだけ良いってこと?」


「認められたってことだな。」


「………そっか。

なんたって私、低音も出るようになったしね!」


「おせーよ。」


「はは、でも頑張ってたよ。

今も気合い入れないと低音でないけど

decisionなんかはロック調だし

低音だし気合い入れないと!

今日まとめてとるでしょ?」


「そうだよ。

何時間で終わるのか。」


「んー、4時間。」


「今回はハモりもとるから

早くてもそのくらいかかるかもな。」


「よし、乾いた!行こ!」


「そうだな。」