居場所をください。




「あ、きたきた。帰る?」


「うん。」


廊下には佐藤さんと貴也が待ってて

私はまた貴也の横に行って歩き始めた。


「美鈴ちゃん、お疲れだね。」


「この時間の仕事はまだ慣れないや。」


早くお風呂に入って眠りたい。

………でも、明日は貴也の方が早いから

先に貴也かな。


「こうやって生活リズムが

崩れていくのかなぁ…」


「今だけだよ。

売れりゃ、深夜の仕事なんかしなくても

やっていけるようになる。」


「貴也は芸歴18年なのに出たじゃん。」


「貴也は今回特別。

今までだってバラエティの仕事は

ほとんど断ってきたからね。

今回は美鈴ちゃんとだから特別だよ。」


「え、じゃあさっき言ってたのは

本音なの?」


「悪いかよ。」


「………別に?」


ほんと、かわいいとこあるよね。


「ま、美鈴ちゃんも今回は特別。

そのうちほとんどテレビに出なくても

やっていけれるようになるよ、きっと。

っていうか俺がちゃんとそこまでつれてくから。」


「はは、佐藤さんがそれ言うのも

珍しくてなんか変な感じ。」


「だから俺、担当はずされないように

気を付けないとね。」


「うん、お願いします。」