それからは他の住民もいるわけだから
静かに静かに、ばれないように
車へと乗り込んだ。
「ふぅー。
このマンション本当に人が多いよね。」
「今のところ多分バレてねーのが奇跡だな。」
「貴也のその赤髪なら即バレだと思ったのに。」
「美鈴の髪のが即バレだろ。」
「二人揃ったら余計に即バレだと思うけど。」
私たちの少しくだらない言い合いに
佐藤さんが呆れながら言った。
「次は色かえよーっと。
秋だしね。」
次はどうしようかな。
「あ、そういえばね
明後日のバーベキュー
社長も来るって。」
「え、なんで?」
「長曽我部さんが言うには
社長が美鈴ちゃんとご飯行きたいから
って。
美鈴ちゃんはバーベキュー行くから
断ってたらしいんだけど
結局バレて社長も参加。
でも俺的には社長がいた方が
勘違い報道起きたりしないから
それはそれでありかなって。」
「あー、佐藤さんと咲さんが……とか
隼也と咲さんが……とかすぐ言うもんね。」
「社長がいるだけで一気に仕事に見えるしね。
それに、うちの社長って全然社長な感じしないし。
むしろ長曽我部さんよりやり易いくらい。
だからみんなも全然OKって感じだったよ。
みんな社長と美鈴ちゃんの関係も知ってるしね。」
「咲さんは知らないよ。」
「え、そうなの?
まぁそれも楽しいんじゃない?
あいつ、絶対驚くだろうし。」
へぇ、"あいつ"だって。
佐藤さんもそういうこと言うんだなぁ……


