居場所をください。




それからご飯を食べ、

お金は佐藤さんが払ってくれた。


「経費で落ちるから。」


と、にっこり笑って。



そのあとは稽古場に戻って稽古。

いつも思うんだけど………


「夏音はまた来てないの?」


と、隣に座る佐藤さんに聞いてみた。


「あれ?知らないの?

下ろされたんだよ、主役を。」


「え!?」


あまりにもビックリして

大きな声を出したから稽古していた

みんなの動きが止まった。


「あ、すみません。

………でもなんで?」


「まぁ実力がなかったってとこかな。

だから咲が今毎日来てるんだよ。

咲が代打。」


「………え!?」


と、懲りずに私はまた大きな声を出してしまった。


「え、でもまだそんなシーン稽古ないけど…」


「まぁ稽古のスケジュールは決まってるから。

大丈夫、咲は演技力あるから。

贔屓目なしで見てもね。」


「………そっかぁ…。

でも咲さんなら嬉しいや。」


「でもみんな知らないの?」


「だって脇役っていってたもん。」


「まぁ元々はね。

代わりに吉田さんが脇役になったってわけ。」


「でもポスターもう出しちゃったじゃん。」


「それはフェスでだけでしょ?

大丈夫だよ。

あれはCGだから咲だけ撮り直せば

いくらでも誤魔化せるよ。

人の記憶なんてそんなもん。

公式ページももうすぐできるから

そこには新しいのが載ると思うよ。」


「………残酷だね。」


「芸能界だからね。」


よく覚えておこう。

実力社会だ。