「それでアルバムの方なんですが
こちらはツアーの方とテーマを重ねたい
とお話が来てるのですが
もうそのテーマは決まっているのでしょうか」
いやいやいや、そんな話
こちらには来ていませんけど。
………ま、いいけど。
「なんか夢物語、みたいな。
私って元々親がいなくて、施設育ちで
お金もないし、性格もひねくれてて。
そんな私が拾われて、契約して
歌手としてやってこれて。
一人の男性と出会ったことによって
人生が一変した、
まさにシンデレラストーリーなんです。
正直、シンデレラストーリーなんて
極僅かな人にしか訪れないと思うんです。
そんな夢みたいなことを考えつつ
現実は甘くない、だからみんな冒険しない。
安泰ばかり選ぶ世の中になってて
もちろんそれが悪いわけじゃないんですけど
きっと子供の頃はみんなスポーツ選手になりたいとか
パイロットになりたい、
それこそアイドルになりたいとか
みんな夢いっぱいの"将来の夢"があったと思うんです。
今の自分からしたらそんなの子供の頃の
馬鹿げた夢物語なのかもしれないけど
そんな現実社会から離れた
無邪気な心を思い出せるような
そんな夢物語を魅せたいですね。
なので次のテーマは夢物語で。
私はまだ子供です。
だから、厳しい現実なんて知らない。
だからこそできることあるのかなって。」
"こんなもんでしょ。"と
自分の人生満足したくないから、私は。
「………素敵ですね。」
「まぁそんなこと言ってる私が
一番夢見てるのかもしれないですけどね。」
だけどレコード会社の方は
「大人は子供に夢を持てというのに
大きくなると夢ばかり見てては生きていけない
現実を見ろ、と言い出します。
大人は夢見ることすらできない。
そんな大人が少しでも童心に帰れる時間が
私もほしいですよ。」
と笑ってくれた。
「そんな夢物語を
私は実現させて見せますよ。
人間、できないことなんかないんだって。」
そんな気持ちが伝わるように。


