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で、なんとか12時前に
私たちはお店を出れた。
しかも矢島くんのおごり。
「ごちそうさま。
車も出してくれたのにありがとね。」
「どういたしまして。」
本当に優しくてかっこよくて
いちいち笑顔にきゅんきゅんする。
貴也には申し訳ないけど。
タイプなんだもん、仕方ない。
恋愛じゃないから許して。
恋愛対象は貴也だけだからね。
「午後は俺と美鈴ちゃんのところ
もう一回やるって。」
「あ、そうなんだ。
なにげに私もよく出るよね。」
「キーパーソンだしね。
がんばろ。」
「うん!特に私がね。
矢島くんいつも完璧だもん。」
「美鈴ちゃんだって上手だよ。」
「ありがと。」
こうやって素直にほめてもらうことすら
慣れていない。
長曽我部さんも貴也も
「まあまあ。」だし。


