居場所をください。




それからすぐに私が呼ばれて

30分ほど稽古をしてから

入れ替わりで貴也が稽古を始めた。


「よう、美鈴。」


「あれ?

長曽我部さんどうしたの?」


「ちょっと佐藤に用があってな。

………佐藤は?」


「長曽我部さんに用があるからって

会社に戻ったけど。」


「うわ、まじかよ。

入れ違いかー。」


「はは、残念だね。

連絡して待ち合わせ場所決めなよ。」


「………そうだな。

それより、どうだった?

雑誌の方は。」


「うん、まぁまぁかな。」


「ま、詳しくは佐藤から聞くわ。

動画撮ってもらったから。」


「え、撮ってたの?

信用ないなぁ…」


「別にそういうわけじゃないけど。

どんなんか気になるしな。」


「ま、いつもと違った貴也が見られるから

撮っててよかったかもね。」


「いつもと違った?」


「見てからのお楽しみ。」


「じゃあ俺は行くわ。

佐藤にも電話しないとだし。

じゃな。」


「あ、迎え来る?」


「あぁ、行くよ。」


「よかった。

じゃーね。」