「松野くんは五十嵐さんの
どんなところが好きですか?」
「………ちゃんと自分を持っているところと
あと俺、もう両親亡くなったんですけど
美鈴はそういう俺の寂しさも
理解してくれるんで。
そういう孤独は他の人にはわからないので。」
「……………そうだね。」
「五十嵐さんは松野くんの
どんなところが好きですか?」
「えー、どこだろ。
………やっぱり私を必要としてくれるところとか
なんかほっとけないんですよね。
強がってばっかりで。」
私がそういうと貴也は笑った。
「ほらね?
こうやってちゃんとわかってくれるから。」
貴也は笑いながら
そんなことまで言った。
「本当にラブラブなんですね~。」
「まぁ仲は良いですね。
疲れてるとそっけないときもありますけど
ケンカとかは全然しないですし。」
さっきまでのギスギスした空気はなくなり、
朗らかな空気へと変わった。
これも、貴也の技術なんだろう。
芸歴18年の実力なんだろう。


