「………貴也…」
「どうして赤堀さんと交際されたのですか?」
「あの時、俺は美鈴に避けられてました。
それでやけくそで。
………だけど、沙耶香と別れる前日
俺は美鈴に話をしに行って和解しました。
そしたらやっぱり美鈴が良くなって
沙耶香と別れたくなって、別れました。
前も話しましたけど、俺の未熟さ故の結果です。」
いつものテレビの前にいる松野貴也は消え、
本当に偽りのない貴也が真剣にそう答えた。
「あの時、沙耶香が謝罪をしていましたけど
本当は俺が悪かったんです。
俺がもっと考えていれば、あんなことにはならず
美鈴を巻き込むことも、
沙耶香を活動停止にすることもなかったんです。
俺はどこまでも事務所に守られ、
甘えていました。」
貴也がそういうと、編集部の方も
何も言わなくなった。
佐藤さんも。
「………そうですか、わかりました。」


