居場所をください。




とりあえず時間がないから

私たちはまたステージへと向かう。


前室で私はまた

佐々木さんにメイクと髪の毛を直され、

準備万端。


「よし。」


「じゃ、宣伝はしっかりな。

隼也の舞台はチケット完売だから

話題に出すなよ。」


「はい。」


「そろそろ時間だな。」


私はこんなときまで長曽我部さんに

ぴったりとくっつく。


「それじゃお願いしまーす」


その声で私はすぐに

長曽我部さんから離れ

貴也の手を握った。


「行くか。」


「うん!」


音楽が始まり、

私は貴也と手を繋いだまま、

MCを勤める芸人の江藤さんと

ステージへ出た。