居場所をください。




「お前らさー、二人で滅多に出掛けないだろ。

どっか行ってもスーパーとか。

だからちゃんとその前に話題を作っとけよ。

憧れカップル一位なんだから。」


「だからそのランキングなんなの。」


「とりあえず、俺らがどんな付き合いをしてるのか

気になってるやつらがいるから

そのお手本になるようなエピソードを作れと

そう言いたいんですよね?」


「そう。貴也は話が早いから助かるわ。」


「でも俺ら、いわゆる

ビジネスカップルなわけでもないんで

それはできないっすね。」


「でも、利用させてもらうとは言ったよな?」


「そんな話題作らなくても

俺らなら大丈夫です。

な、美鈴?」


「え?あ、うん。」


わかんないけど

とりあえず貴也に同意しとくよ。


「とにかく大丈夫なんで

長曽我部さんは心配しなくて大丈夫です。」


「そ。

そこまで言うなら別にいいけどな。


………問題は美鈴か。」


「そこは長曽我部さんに任せるんで。」


「なんか私だけ出来損ないみたいじゃん。」


「まだまだ新人だからな、美鈴は。」


………くそぉー