居場所をください。




「咲さん、もうすぐアイドル卒業なんですよね?」


「うん、まぁね。

もう20歳だし、次は女優としてやりたいなー

って長曽我部さんにもアピール。」


「俺かよ。

そういうのはマネージャーに言えよ。」


「だって急な方向転換は

長曽我部さんが許可するか………とか言うんですもん。

だから、長曽我部さんの意見も聞こうかと思って。」


「やる気次第じゃねーの。

俺は今美鈴担当なんだから他にまで口出ししねーよ。」


「なんだ、そうなんですねー。

じゃあ女優として頑張っていこっと。」


「売れるかは別だけどな。」


「長曽我部さんにそういうこと言われると

自信なくなる。」


「じゃあやめとけ。」


「えー!」


「ま、咲次第だよ。」


「咲さんの演技見てみたーい。」


「共演するんだから見れるだろ。」


「だってまだ先じゃん。」


「まぁそうだけど。」


「ま、私はちょっとトイレ~。」


と、私だけ立ち上がり、

スタジオを出た。