居場所をください。




「さて、明日も早いしそろそろ寝るか。」


「あ、先寝てて?

私もう少し歌詞考えてみる。」


「え、俺だけいいのか?」


「うん。

大丈夫だから早く休んで。」


「悪いな。

じゃあおやすみ。」


「おやすみ。」


私は貴也が寝室に移ってから

飲み物を入れ直してパソコンに向き合った。


………素直に、ね。


"桜咲き 今年も君を思い出す
君と桜をみたことないのに
なぜか君のことを思い出す

辛かったね 傷ついたよね
怖かったよね ごめんね
君を一人にしてしまって

時々ぶつかることもあるけど
そんな君が好きだから
そのままの君でいてほしい

僕はもう君を一人にはしない
大丈夫 僕が君のそばにいるから
いつも君を抱き締めてるから

だから怖がらなくていいよ
僕は離れていかないから
弱音を吐いていい
涙を流してもいい
僕が必ず全て受け止めるから

辛くなったら手を伸ばして
僕が必ず包み込むから
僕はいつだって君の味方だから

だからどうかその笑顔を
奪わないでいて"


夏音を想って書くはずだった歌詞は

藍子を想って書いた歌詞になっていた。


タイトルはもちろん"Best friend"