居場所をください。




私の膝に乗るポメラニアンは

私の指をなめたり噛んだり

丸くなったり、本当に可愛かった。


「美鈴?」


「あ、貴也おかえり。」


「どうした?その犬。」


「見つめてたら抱っこさせてくれたの。

大人しくてほんと可愛いよ。」


「飼う?」


「………飼わない。

うちにきても、絶対寂しい思いさせるから。」


家に誰もいない時間が長いから

飼っても結局一人ぼっちだから。


「………それもそうだな。」


「お兄さん、ありがとうございました。」


「いえ、こちらこそ。」


私はポメラニアンをお兄さんへ返し、

ペットショップを出た。


「さて、今日の夕飯なにがいいかなー。」


「麺類。」


「さっきもそれ聞いたってば。

冷麺パスタとかにしよっかな。」


トマトとか買ってこ~。