よし、あとは
食料品だけ買って早く帰ろ!
「俺、これ車置いてくる。
ちょい待ってて。」
「あ、うん。
じゃあそこのペットショップにいる。」
「了解。」
私はまたペットショップへ寄る。
犬も猫も本当に癒し。
「かわいー…」
………あ、言葉が漏れてしまった!!
「よかったら抱っこしてみますか?」
すんごい爽やか系のお兄さんが
私に優しく微笑んで、言った。
「え……いいんですか?」
「もちろん。」
そういって
私が見ていた犬のゲージを開けた。
「どうぞ。」
私はベンチに座り、
お兄さんから犬を受け取った。
「ポメラニアン。
元気でやんちゃな犬種だよ。」
「へぇ、そうなんですね。
でもこの子はどこか落ち着いてる。」
「あ、わかる?
この子ね、お母さんが
この子を産んだときに亡くなったの。
だからどこかでわかってるのかも。
寂しくて、一回抱くと
ずっと動かないで、離さないでって
そう伝わってくる気がするんだ。」
「………わかります、その気持ち。」
「え?」
「あ、いえ…」
お母さんがいない、か………


