居場所をください。




それから佐藤さんが買ってきてくれたお弁当を

みんなで食べた。


「11時に家電が来るんだよな?」


「予定ではね。」


時刻はすでに11時。

まぁ前後するって言ってたしなぁ…。


「なぁ、美鈴んちにある家具ってどうすんの?」


長曽我部さんの向こう側にいる弘希が

顔を覗かせた。


「処分するかな~?」


「ならさー、俺んちに送ってくんない?」


「え?いるの?」


「捨てるのもったいないし。

俺んちあんまり家具とかもないし。」


「まぁいいけどね。

ベッドとソファとダイニングテーブルとくらいかな?」


「ダイニングテーブルはいらないわ、俺も。」


「じゃあ今日か明日には手配するね。

5日にはあの部屋解約だから。」


「おっけ。」


捨てるのにもお金かかるしね。

無駄にならなくてよかった。


長曽我部さんに買ってもらったものだから。