「この最初の"君"と
最初のサビ以降に出てくる"君"は
別人?ってこと?」
「そうそう。
最初の"君"は私たちのお母さん。
私のお母さんもそうだし、
貴也のお母さんもそうだし、
長曽我部さんのお母さんも。
私たちはみんなお母さんが病死してるから。」
「俺の母さんも?」
「長曽我部さんも一緒。」
私がそう言うと長曽我部さんは笑った。
仕事中はあまり笑わない長曽我部さんが笑った。
「で、それ以降の"君"は私たちのこと。
私からしたら貴也とか長曽我部さんとか。
そうやって、支え合って生きていこうね
っていう歌。」
「……了解。」
「よし、あと一曲だね!」
「その前にもう仕事行かなきゃだな。
貴也起こして。」
「あ、はい。
貴也、貴也。」
私は肩を揺すり貴也を起こした。
「あ、起きた?
私もう行くね。貴也も稽古頑張ってね。」
「……おう。」
思いっきり伸びをした貴也は
私に短く返事をして私の頭を撫でた。
「行ってきます。」
「おう。」


