居場所をください。




それからスーパーで食料を少しだけ買って

マンションへ帰ってきたのだけれど……


マンションの前に、誰かいる。


「ちょっと止まって。」


駐車場に入ってすぐ、

貴也に車を止めてもらった。


「先入ってていいから。」


それだけ言って私は

マンション入り口へと向かった。


「弘希、なにしてんの?

こんな時間に。」


「……美鈴を待ってたんだよ。

今日泊めてくんない?」


「なんでまた急に。」


「プチ家出。」


「はぁ?

しかもなんでうち?

長曽我部さんちは?」


「母さんとも父さんともケンカ。」


「……なんだそれ。」


「とりあえず暑いから

部屋入れてくんない?」


「や、でも…「美鈴?」


かと思ったら今度は貴也も来た。


「あぁ、彼氏とお泊まり?

それか同棲?

それでもいいよ、俺は。」


いやいや、お前がよくても……


「早くして。」


……こいつ……