居場所をください。




「話ってなんだったわけ?」


「高橋に彼女ができたって話と

夏音の話。

だけどなんかもうぐちゃぐちゃで。

なんかもうなにを信じればいいのか

よくわかんないや。

人付き合いってめんどくさい。

なんかもうどうでもよくなってきた。」


夏音のことは信じてる。

だけど高橋のことも信じてる。


今はなにを信じて

どうすればいいのかわからない。


「別に、目の前にいるやつを信じれば

それでいいんじゃねーの。

俺もめんどくせーから誰とでも仲良くするつもりはない。

今いるやつらを大事にすればいいんじゃね?

とりあえず今美鈴が仲良くしてるやつらは

みんな、信じていいんじゃねーの。

っていうか友達ってそういうもんだろ。」


「……そうだよね。」


「損得考えずにいられるやつが

友達っていうんだろ?」


「え?」


「本当は俺も聞いてた。

吉田夏音の話。

あいつに、美鈴から離れんなって言われたし。」


「……二人ともさ、いつの間にか

いろんな話してたんだね。」


「美鈴がヘアアイロン選ぶの

すげー長かったからな。」


「そんな長かった?」


「長かった。」


「ごめんね。」


「でも、おかげでいろいろ聞けてよかったわ。」


「なに聞いたの?」


「美鈴が本当は言葉遣い悪いとか。」


「……高橋、変なこと言わないでよね…」