居場所をください。




「…え、ちょっと待って?

でもそれをなんで夏音の友達が言ってたの?」


「その夏音の友達も、

別に夏音と仲良くする気なんかなかったってこと。

自分の利益になるから。」


……友達になるのに

損得考えてなるもんなの?

友達って、そんな関係なの?


「美鈴はバカだから気づいてねーかも知れねーけど

俺は夏音と仲良くなるために

美鈴に近づいたわけでもねーし

夏音のついでに美鈴と仲良くなった訳じゃなくて

美鈴の事が気になって、美鈴に近づいたら

夏音がいて惚れただけ。

覚えてるか?

俺も、お前に友達申し込みした時のこと。」


「まぁ、そりゃね。

確か高橋が私の友達になりたいとか言い出して

そのあと夏音も私の友達になりたいって…」


「ほら、それも。

美鈴に近づく俺を美鈴から離すために

ってこと。今思えばだけど。


だけど俺は夏音と付き合っても

美鈴から離れなかったろ。

だからもう俺はいらなくなった。

その時文化祭で美鈴の友達である

岳人、亜樹、颯太、悠斗を見て

俺を捨てて颯太に移ったってとこだな。

岳人と悠斗は彼女がいて、

亜樹はちょっとこえーし、

一番美鈴になついてる颯太から、ってとこだな。

結局うまくいかなかったみたいだけど。」


「……でもなんで私の周りばっかり?

他にもモテる子いたでしょ。」