それからはとくにバレたり囲まれたりすることもなく
私たちは原宿へと向かった。
「でも高橋がカフェとかなんか似合わないね。」
「美鈴が原宿ってのも似合わねーな。」
「高橋もだし。
だいたい受験生のくせに金髪って。」
「俺は推薦だから補講もないし
いいんだよ、別に。夏休みだし。
美鈴こそ学校行ってんのかよ。」
「この前行ったし。」
「いつぶりに?」
「……さぁ?
少なくとも3年生になって初めて。」
「はぁ?
そんなんでいいのかよ。」
「いいんだよ。」
「あっそ。
つーかここ。」
「ここ?
ここ確か高いところだよね。
いつもお客さんいなくて
いつか潰れるだろうなと子供の頃から思ってた。」
「失礼なやつ。」
だってねぇ……。


