居場所をください。




『ただね、私のところに来た情報によると

彼氏の松野貴也くんと来るはずだったんだけど

やめたんだね?』


…………長曽我部さんか!!

あの人はまた勝手に!!


なんて心の中で怒っていると

私のところへマイクが来た。


これは私に話せ、と言っているのか?


「……あー、はい。

実は元々今日は友達と約束があったので

貴也はお留守番です。」


……なんなんだ、この仕事モードは…。


『私噂で聞いたんだけど

新居に一緒に住むって本当?』


「あ、はい。本当ですね。」


『いいなー、若いなぁ。』


いいなぁってあなたはもうすぐ

結婚するでしょう。


…なんて言えないけどさ。


『あのー、知ってると思うけど夏のフェスに

今年は美鈴ちゃんも呼んだから

みんな美鈴ちゃんの曲、しっかり覚えてきてね!』


わお、ちゃっかり

宣伝までしてくれてる。


……もしかして私はここに仕事をしに来たのか?