居場所をください。




「もしもーし。」


『おう、おはよ。』


「おはよ。」


『すっげー急なんだけど』


よくあるよ、それ。


『明後日バラエティの収録入ったんだよ。

で、その収録で美鈴の1日密着動画がほしくて

今からカメラそっち持ってくから

明日、朝貴也に撮ってもらってほしいんだけど。

朝以外は俺と佐藤が撮るから

朝だけ…あと夜もか、貴也に頼みたい。

とりあえず今から持ってくから。』


「あ、はい。」


『じゃあまたあとで。』


それだけ言って切れた。

まだ7時前。

あの人はいったい何時から仕事をしてるんだ。


「長曽我部さんが今から仕事持ってくるって。」


「は?」


「まぁ直接聞いてよ。

どうせ数分で来るだろうしね。

それよりご飯食べよ。」


「あぁ。」


また密着か…

身内に撮られる分にはそこまで大変じゃないか。