居場所をください。




「……ってか機嫌が悪いの

貴也じゃないの?」


「俺も夏が嫌いなだけ。」


そういいつつ、私のとなりに座る。


「今年は特に暑いよね。」


「だな。

このエアコンちょい古いよな。

このマンション建った頃からついてるらしいし。」


「ね。新居はエアコンついてないし

買わないとだね。」


「すぐ冷えるやつな。」


「……ってか夏って取り付けに

少し時間かかったりしない?

早めに見に行った方が良くない?」


「確かに。

エアコンなしとか無理だし、早めに見に行くか。」


「あ、そうだ。

雑誌雑誌。」


やっと少し冷えてきた部屋のおかげで

やっと貴也とくっついても平気になった。

本気で夏が嫌いな私たちは

夏は近づけないなと改めて思った。


「貴也ってどんな部屋がいいの?」


「シンプルなやつ。

あの部屋、壁とかは白いのに

床はグレーだから

モノトーンとかで揃えたい気分。

まぁ美鈴の意見もあるだろうけど。」


「私は特にこだわりないよ。

とにかく掃除しやすく、余分なものは置かず

かつ、おしゃれに見えれば。」


「そのテレビ台とか

このテーブルはそのまま持っていけるよな。

テレビも。」


「とりあえずはソファとベッドと

ダイニングテーブルかな?

家電はまだ使えるよね。」


「そうだな。」