居場所をください。




そのあと、電車組の二人とは別れて

歩いてマンションまで。


とりあえず暑くて……無言。

ほんっと夏が嫌い。

暑いのが本当に無理。


暑すぎて貴也の手を握ることもなく

マンションについて、部屋に入るなり

そっこうエアコンON!


貴也もなにも言わずにお風呂の支度してくれたから

私は髪の毛束ねてソファにうなだれる。


どんどん干物化していく。

干される~。


なんてくだらないことを考えてると

貴也がリビングへきた。


「機嫌悪い?」


「え?私?」


「他に誰がいるんだよ。」


「別に悪くないよ?

全然いつも通り。」


「なんだ。

なんにも喋んねーし

近くにも来ないから怒ってんのかと思った。」


「なにか怒られるようなことしたの?」


「いや、別にそういうわけじゃねーけど」


「そ。

ただ暑いのが嫌いなだけ。

機嫌が悪い訳じゃないよ。

自分の体が暑くならないようにするために

無駄な体力は使わないようにしてた。」


「俺と喋ったり、近くに来ることは

無駄なことなのかよ。」


「あ、いや別にそういう意味じゃないけど。」


「あっそ。」