居場所をください。




「…私は嫌われてるみたいだけど

夏音はそんな悪い子じゃないよ。

高橋のことだってちゃんと好きだった。

……ううん、まだ好きなのかもしれない。

私はそんな気がするよ。」


「え、まじで?あれで?

俺のこと追いかけてたのに?」


「それはさ、高橋と繋がっていたかったんじゃないの?

もしくは高橋に妬いてもらいたかったとか。」


「……なんでそんな信じてるの?」


「だって疑ってるのって

いい気分しないじゃん。

私は本気で夏音の友達やってた。

だから簡単に疑ったりなんかできないよ。

友達ってそういうものでしょ?」


「……美鈴ちゃんらしいね。」


「だから高橋にもできれば

夏音のこと信じてもらいたいけどね。

……ま、信じたところで

夏音は恋愛禁止だから意味ないけどね。」


「……美鈴ちゃんは瑠樹の元カノと

どうして仲良くなったの?」


「……私、施設育ちな上に

態度もあんまり良くなかったの。

みんなをバカにしたように、上からで。

だから私友達がいなくて。


夏音は夏音でぶりっことか男好きとか

まぁモテるから女の妬みみたいのがあって

いじめられてたの。


夏音がちょうどいじめられてるところを

私がたまたま目撃して、

"いつまで小学生みたいなことしてんの?"

ってすごいバカにしたように言ったの。

いじめてた人たちに。

"自分がブスだからって可愛い子をいじめるって

それって本当に虚しいでしょ。レベル低。"

みたいなことも言っちゃってさ。


その時夏音になつかれたの。

それからかな、毎日一緒にいるようになったのは。

基本的に私、気が強いから。」