それから普通にカラオケを楽しんだんだけど……
貴也は岳人とすっかり仲良しに。
落ち着いている者同士、気が合うのかなんなのか…
まぁいいんだけどさ。貴也、友達少ないし。
もはや話しすぎて誰も歌ってない。
「ところでさー、美鈴ちゃん。」
「ん?」
「瑠樹の元カノ、なにやってんの?」
「……あぁ、アイドルやってるよ。」
「ぜんっぜん売れてないよね。
まぁあの性格じゃ売れないだろうけど。
しかも美鈴ちゃんと仲良くしてたくせに
大嫌いだったとか言っちゃうくらいだし。
すげーめんどくせーなって思ってたけど
まさかあんな性格で、しかもアイドルって。
あれ絶対続かないでしょ。
っていうか顔しか見てない女みたいだし
芸能界で男作ってバレてクビになりそう。」
「まぁそういうこと言わないの。
夢叶ってアイドルやってるんだから。」
「ちょー歌へたじゃん。」
「私、実は聴いたことないんだよね。」
「まじ!?
正直さ、美鈴ちゃんとこの事務所って
実力派が多いから
あんな見た目だけしかないアイドルと
契約するとは思わなかったよ。」
長曽我部さんは反対してたのにね。
社長がOK出したから仕方ないけど。


