居場所をください。





「はい、マンション到着。

引っ越しまで意外と時間なかったし

時間あるときに荷造りしとけよ。

とくに美鈴な。」


「なんで私だけ……」


「お前の荷物の方が圧倒的に多いから。」


「俺も手伝うから大丈夫だよ。

それじゃお疲れさまでした。」


そういって貴也は車から降りた。


「じゃ、お疲れさまでした。」


「お疲れ。」


私も続いて車を降りて

貴也が開けてくれたエントランスをくぐった。


「ここでこうやってエレベーター待つのも

あと少しだな。」


「……そうだね。

結構いろんなことあったよね。

エントランスのソファで

貴也、待ってたことあるし。」


「うるせーよ。

それより飯どうする?」


「とりあえずスーパーは行かないと

食料なんにも余ってないよ。」


「じゃあ荷物おいたら出掛けよ。」


「うん!」