居場所をください。




「でも貴也いてよかった。

私役者じゃないしアウェイだから

ちょっと心細かったんだよね。」


「そんなこといちいち気にしねーよ。

自信持て。」


「ありがと。」


「まーつーのーくん?」


「あ?」


「そこ俺の席なんだけど。」


「あぁ、悪い。」


あー、見たことある。

名前、加藤将大っていうのか。

知らなかったー。


「あれ、五十嵐美鈴ちゃんだよね?

へー、演技もするんだね。

よろしくー。」


「あ、よろしくお願いします。」


きれいな金髪で登場した、1つ上の加藤さんは

実際は結構明るいキャラだった。


「へー、カップルが共演なんだー。

事務所が頑張ったのかな~?」


「……どういう意味ですか?」


「ちゃんとオーディションは受けた。

実力だよ。」


「へー、そっか。

ま、どっちでもいいけど。」


なに、この人。

性格悪いのかな……