「私さ、少し前まで夏音っていう

女の子の友達しかいなかった。


夏音は絶対に私から離れない自信あるし

私は失うものなんて何もなかった。


親もいないし、友達も夏音だけだし彼氏もいないし。


だから今までどうでもよかったんだけど

今は失いたくないものがたくさんありすぎて

失うのが怖かったんだ。


夏音も、高橋も朔也も

隼也も貴也も今支えてくれてるみんなも

長曽我部さんも。


だから誰にも言えなかった。

結局ばれちゃったけど。」


私の話をみんなはなにも言わずに聞いた。


「俺はそんな簡単にお前を捨てねーよ。

お前は俺が見つけた宝だ。

そんなことで見棄てたりしねーよ。


俺が今一番近くにいるだろ。

もっと頼れよ。


お前が頑張ってくれてんだから

うちの会社だってお前を全力で守るよ。」


長曽我部さんがそういって

私はまた泣いてしまった。