居場所をください。




「にしてもいいマンションだったな。」


「ほんとだよー。

ダメなところなんて全然見つからなかった。」


「壁の防音性も高いらしくて

窓閉めてたらかなり静からしいしな。」


「え、そんなことまで聞いてたんだ?」


「住んでみて隣の部屋から話し声が聞こえる

とかだったら困るだろ。

だからちゃんと聞いといた。」


「早く引っ越したいなー。」


「気が変わるの早いな。

まぁでもたしかにいい部屋だったしな。

完成してないから引っ越しは

まだ少し先だけど

まぁ荷造りにはちょうどいいな。」


「ベッドだけは絶対買い換えようね!」


「はいはい。」


せめてダブルはほしい。

………あわよくばクイーンサイズ。

あの広い洋室なら入るもんね?

クイーンサイズ……ほしい。


「まぁ今のベッドは

寝室とは別の部屋に置いとくのもありだな。

誰か来たらそこ寝られるしな。」


「あ、それもそうだね。」


「まーあんまけんかはすんなよ?」


「え、それ私に言うの?

貴也もでしょ。」


「はいはい。

でもまーこれでもう別れられないよな?」


………え?


「別れんなよ?」


「……当たり前じゃん。

こっちのセリフだし!」


「はいはい。」


なんか、貴也もそういうこと言うんだなぁ…。

私から別れ話なんてありえないのにね。