居場所をください。




それから隼也とは別れ、

会社の駐車場に向かえば

長曽我部さんがすでに待っていた。


「おせーよ。」


「えー、あと15分あるよ?」


「もうちょい早く来いよな。

待ちくたびれたわ。」


「ごめんごめん。

暑いし早く車行こ。」


化粧が落ちるー。

なんで夏ってこんなに暑いの。

今年は一段と暑い。


「ちなみに住みたい間取りは決まってんの?」


えーーー……


「2LDKですかね。」


「え、そうなの?」


「まぁ寝室以外に一部屋あった方が

喧嘩したときとかにも助かるだろうな。」


「え、そういうこと?」


「まぁそれもあるし

体調崩したときとかも別々のがいいだろうし

美鈴の服もけっこうあるし

使用用途はいろいろあるだろ?」


「あー、そうだね、確かに。」


「貴也はもうCMもドラマも

舞台も映画も仕事がギチギチに入ってるから

家賃の心配もないしな。

美鈴もライブの金が今月から入るだろうし。」


「家賃っていくらになるの?」


「さぁ?

まぁ30万から40万くらいじゃね?」


「たっか!」


「まぁ一等地のタワーマンションだしな。

それなら少し安い方かもな。」


「……長曽我部さんとこはいくら?」


「俺んとこはもう少し上だな。」


………だよなぁ…。

芸能人にもなればそのくらいは

当たり前なのかな。