居場所をください。




「ごちそうさま。

あー、お腹いっぱい。

こんなに食べたの久しぶり。」


マスターのご飯なら

不思議とペロッと食べられる。

やっぱり美味しいからかな。


「じゃあ行くか。」


「そうだね。時間もないし。

長曽我部さんにメールしとく。」


とスマホを確認すると

なぜか隼也からメールが来ていて

そこにはここで撮られたと思われる

私と貴也の写メ。


「たまにはそんな写メもいいだろ?」


「……そうだね。」


二人で話してて、笑ってて

カメラに全く意識してない私たちは

完全に仕事の時とは違う顔をしてる。


「隼也隠し撮り上手だね。」


「二人とも話に夢中なだけ。」


でもこういう顔の貴也はほんと撮れないから

この写真は本当にレア。

かわいい表情じゃなくて、ちゃんと

イケメンな顔をしてる。


「………あ、長曽我部さんにメールしなきゃ。」