居場所をください。




マンションに入ってからは

貴也がお風呂の準備をしてくれて

私はマンションのパンフレットを眺めていた。


マスコミに家バレしてるのって

やっぱめんどくさいことなのかな。

……まぁ確かに何かある度に

マンションまで来てるもんなぁ……


「検討中?」


「え?あぁ、マンション?

まぁねー。

さっき、貴也が冷蔵庫勝手に開けちゃダメな感じ

っていってたのがなんとなくわかるからさー。

クローゼットとかもうだけど

貴也のスペースは確かにないなって思って。

ならやっぱ一から始めた方がいいのかな、と。」


「それにここ、更新料も4万と高めだし。

家賃は安いのに、その他がいろいろ高いし

あと宅配ボックスがないのも不便じゃね?」


「貴也は引っ越したいんだよね?」


「まぁ美鈴がよければ、だけどな。」


「私はどっちでもいいの。

だから貴也が引っ越したいなら

どっか探すのもいいよ。」


「まぁ無理にとは言わないし。

そこがいまいちならやめればいいし

よければそこにすればいいし。」


「なんかそうなると

内見楽しみになってきた~。」


「さっきまでは楽しみじゃなかったのかよ。」


「そういうわけじゃないけどさ。」