居場所をください。




「そういえば髪の毛っていつ染めるの?」


「まだ先だから未定。」


「ふーん、そっか。

赤か~。ってことはまた不良役?」


「らしいよ。」


ふーん……今時の流行りなのかな。

最近そういうドラマも多いし。


「ってかね、私も映画出るんだ~。」


「演技すんの?」


「そ。長曽我部さんの指示でね。

私は貴也とは逆。

髪の毛黒くなるの。

といってもウィッグだけど。」


「へー、新鮮だな。」


別に黒く染めてもいいんだけどな。

長曽我部さんが良しとしないか。




「………にしても…」


それからマンションについた、けど……


「せまいねー、ほんと。」


「だいたいこの規模のマンションなのに

これだけしか駐車スペースないのがおかしいだろ。」


なんて文句言いつつ

初心者な癖に一発で駐車させる貴也は

なかなかの腕だと思う。


「よし、到着。」


「ありがとね。」