居場所をください。




「美鈴ちゃん!俺からー!」


とハルが小さい箱を差し出してきた。


「ありがと!

中なにー?」


「美鈴ちゃんが欲しがってた

ボイスレコーダー!」


「え!すごい嬉しい!ありがと!」


「美鈴、これは俺から~。」


と貴也の向こう側にいる隼也が

私に渡してきた。


「これはなにー?」


「スリッパ。

しかも貴也とお揃い。」


「へー、ありがとう!」


貴也とお揃いってあんまりないから

嬉しいや。



「で、これは俺から。」


と長曽我部さんから出てきたのは……


「なにこれ。

………ってパンフレットじゃん。」


「今のマンションより駅側にマンション建つだろ。

そこの。」


「あー、あそこの高層マンション?

でも引っ越す予定ないよ?」


「でももうすぐ更新だろ。

二人で住むならあの部屋狭いだろ。」


「えー、狭い?そう?」


「駐車場は狭いな。」


「あー、そうだね、確かに。」


「まぁ見るだけ見とけよ。

マスコミに家バレしてんだから。」


「あー、そうだね。」