居場所をください。




「さっき花屋で美鈴が花包んでるところを見てるとき

長曽我部さんからメールが来て

美鈴にバレないようにここに来いっていわれたんだよ。」


「………じゃあさっきのは…」


「悪いな、騙して。」


「な、なんだぁ…。

まんまと貴也の演技に騙されたよ…。」


あのケンカは仕組まれたものですか。

なんだよ、バカ。

一人で悩んじゃったじゃないか。


「でももう少し喜んでくれると思ったのにな~。」


と私の隣に座るハルが言う。


「なんかもう驚きすぎたっていうか

頭が真っ白になって……

でも嬉しい。ありがと。」


みんなが前から考えてくれてたことが

なによりも。



「………じゃあさっき書いてたhappy birthdayは

私の………ってことかぁ。」


「あそこに飾ってあるよ。」


と言われてそこを見れば

"Misuzu&Hikaru"

となっていた。


「はは、長曽我部さんのもやるのかぁ。」


「俺はもう喜ぶ歳でもないけどな。」


「そんなことないよ。

祝、30歳だもん。」