「五十嵐さんはいい母親になりそうですね。」
「どうでしょう。
私なんかがなれますかね。」
「なれますよ。
きっと、かわいいママに。」
「………私、ちょっと不安なんです。
自分も子供を捨てないかって。
ちゃんと育てられるか不安で…」
「大丈夫ですよ。
自分の子供って、格別に可愛いんです。
この子のためならなんでもできる、
この子のために生きていかなきゃって
大袈裟でもなんでもなく素直に思えるんです。
だから五十嵐さんなら大丈夫です。
痛みを知った五十嵐さんが
それを繰り返すなんて思えません。
だから、きっと大丈夫です。」
「………ありがとうございます。」
「五十嵐さんと彼氏さんの子供なんて
きっと可愛いんでしょうね。」
「いえ…今もケンカ中なので
今の彼氏と子供とか……正直考えられないですよ。」
「はは、ケンカなんて日常茶飯事ですよ。
瞬なんて、結婚する前はすぐ嫉妬して
それですぐケンカでしたもん。」
「え、瞬が嫉妬ですか？」
「人なんてそんなもんですよ。」
………なるほどなぁ…。
