居場所をください。




それから結局私はハンカチまで追加した。

貴也がタオルを追加してたから。


「こちらのブランドはなにが人気なんですか?」


店員さんが包んでる間

ソファで座って待ってていいくせに

私は店員さんの包んでるところを見ていた。


「当ブランドではやはりお財布が

一番人気でして、高校生の方も買いに来られますよ。」


「え、高校生が?」


「はい。

アルバイトの給与を貯めてこられた方が

よく買いにこられます。」


「あ、なるほど。」


「はは、納得するのかよ。」


「よく考えたら私も前は毎日バイトして

お金貯めてたから。

私は使うことほとんどなかったけど

施設にいなかったらこういう高価な物も

買えたなって思って。


でも当時の私ならこういうの

似合わなかっただろうなー。

背伸びしてる感が。

まぁ今も似合わないけど。」


「それは俺もじゃね?

長曽我部さんくらい大人の余裕があって

いかにも仕事できます、ってくらいのが

こういうのは似合いそうだな。」


「ね。

長曽我部さんに怒られ呆れられてる私は

まだまだだよー。」


なんて笑いながら貴也と大人しく

ソファで待つことにした。

見すぎもよくないよね。

それこそガキだ。