「で、どこにあるわけ?」
「さぁー?」
ここには高級ブランドショップも入ってる。
が、どこにあるのか………何せ広くて。
そんなことを話しつつ歩いてるけど
とにかく周りからの視線がすごい。
写メも普通に撮られる。
この隠し撮りがけっこうイライラする。
黙って撮るならバレないように撮れよ。
「美鈴、顔が怖い。
そんなキレんなって。」
「貴也はなんでそんな冷静なの。」
「まぁ慣れたのもあるな。
俺は美鈴より16年も芸歴が長いから。」
「そういえば貴也って
基本的に変装とか昔からしなかったもんね。」
「めんどくせーしな。」
「さすがですね、先輩。」
「俺の事先輩とか思ったことあんのかよ。」
「あ、それ隼也にも言われた。」
「うわ、俺の思考回路は隼也と一緒かよ。」
「仲がよろしくて良いですね。」
「あ、そういや俺髪染めるよ。」
「え、なんで?役作り?」
「そ。
まぁもう少し先だけどな。」
「何色?」
「次は赤。」
「赤って!それはすごい奇抜だね……」
「まぁな。
仕事だからしかたねーけど。」
「まぁどんな仕上がりか楽しみ。
意外と可愛く仕上がるかもね。」
かわいい顔だから。
「あ、あそこじゃね?」
「あー、ほんとだ。
やっとだねー。」
やーっと目的のお店へついた。
ぐるぐるしたよ、けっこう。


