居場所をください。




「で、なに買うわけ?」


「んー、腕時計と下着かな。」


「は?下着?」


「実はね、今日の夜、打ち上げという名の

長曽我部さんの誕生日パーティーするの。

誕生日はとっくに過ぎちゃったんだけど

今まで長曽我部さんの誕生日をお祝いしたことないし

やっと時間もできたから。

その準備を瞬の家でもやるの。

だから貴也にも来てほしかったんだよね、夜も。

たくさんいた方が楽しいでしょ?」


「あー、そういうこと。」


「だからプレゼントに腕時計と下着。

ほんとはお酒とかあげたいけど

よくわかんないし、未成年には買えないしね。

なにあげればいいかよくわかんなくて

スーツ着る人ならネクタイとかカフスボタンとか

そういうのもいいなって思うけど

長曽我部さんがスーツ着ることなんてまずないじゃん?

結婚式とかないかぎり着ない人だし。

だから下着にしようと思って。」


「腕時計は?」


「下着だけじゃ安すぎるかなって。」


「じゃあ俺は何にするかなー?」


「靴下とか。」


「靴下ー?安すぎじゃね?」


「そういうのは気持ちだって。」


「とか言いつつ自分は腕時計もあげるんだろ?」


「じゃあ下着だけの方がいい?」


「それも面白いと思うけど。」